G-NQ0SVNB71M 口呼吸が子どもの成長に与える5つの悪影響|歯科医師が解説

口呼吸が子どもの成長に与える5つの悪影響【歯科医師が解説】

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「うちの子、いつも口がポカンと開いてる…」「寝ているときに口で息をしてる…」——そんなお子さんの様子に気づいたことはありませんか?

実は、口呼吸は「たんなるクセ」ではなく、歯・顔・体・脳の発育すべてに関わる大切なサインです。

この記事では、現役歯科医師の視点から、子どもの口呼吸の原因・リスク・家庭でできる改善法をわかりやすく解説します。 「口×食×体×心」のデンタルウェルビーイング視点で、お子さんの健やかな成長を一緒に考えましょう!


🔍 原因が気になる方へ|なぜ子どもは口呼吸になるの?

子どもの口呼吸は「怠けている」「行儀が悪い」のではありません。多くの場合、医学的な原因があります。

原因①|アレルギー性鼻炎・慢性鼻炎による鼻づまり

  • 花粉症やハウスダストによるアレルギー性鼻炎は、子どもの口呼吸の最多原因のひとつ
  • 鼻の粘膜が腫れて気道が塞がれると、自然と口で呼吸するように
  • 「最近鼻水が多い」「くしゃみが続く」は要チェック!
  • 日本アレルギー学会によれば、近年小児アレルギー性鼻炎の有病率は上昇傾向にあると報告されています

🌿 デンタルウェルビーイング視点より:鼻炎があると食事中も鼻で息ができず、噛む力・飲み込む力の発達にも影響が出ることがあります。「食べること=口の機能を育てること」なので、鼻の通りは予想以上に大切です!

原因②|アデノイド肥大・扁桃肥大

  • アデノイド(咽頭扁桃)は3〜6歳頃に最大になりやすく、鼻の奥を塞いで鼻呼吸を妨げることがあります
  • 扁桃肥大も気道を狭め、口呼吸・いびきの原因に
  • 「いびきをかく」「口がポカンと開いている」のセットで気づくケースが多い

原因③|口唇閉鎖力の低下(口の周りの筋力不足)

  • 口の周りの筋肉(口輪筋)が弱いと、自然に口が閉じられない状態に
  • 離乳食の進め方・食形態・硬さも影響することがあります
  • 日本小児歯科学会(2026年1月)の最新声明でも、「口腔機能発達不全症」として健康保険で診断・治療が受けられることが明示されています※1

原因④|低位舌(舌の位置が低い状態)

  • 本来、舌は上顎にくっついている(スポットポジション)のが正常
  • 舌が下顎方向に落ちた「低位舌」は口呼吸を引き起こしやすい
  • 低位舌→口呼吸→歯列不正、という負のスパイラルにつながることが指摘されています

原因⑤|姿勢の問題(猫背・前傾姿勢)

  • 猫背や頭を前に突き出した姿勢は、自然と口が開きやすくなります
  • 長時間のタブレット・スマホ使用は姿勢を悪化させ、口呼吸を助長させる可能性があります
  • 「体の姿勢=呼吸の姿勢」という視点がとても重要です

⚠️ 放置するとどうなる?|口呼吸が子どもの成長に与える5つのリスク

「まあ、そのうち治るかな…」と思っていると、取り返しのつかないことも。成長期だからこそ、早めの対応が大切です。

リスク①|歯並び・顎の発育への影響(エビデンスあり)

  • 口呼吸→低位舌→上顎に舌の力が伝わらない→上顎が狭くなる「狭窄歯列弓」に
  • 「出っ歯(上顎前突)」「開咬(口が閉じられない嚙み合わせ)」のリスクが高まることが、複数の研究で報告されています
  • 小学生を対象にした国内研究でも、口呼吸と歯列・咬合異常に有意な関連があることが示唆されています※2

リスク②|顔立ちの変化「アデノイド顔貌」

  • 口呼吸が長期間続くと、顔が細長くなる・上唇が短くなる・下顎が後退するなど**「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔立ちの変化**が生じる可能性があります
  • 成長期(特に6歳以前)に対処することで、顔立ちの変化を最小限にできる可能性が指摘されています

リスク③|睡眠の質の低下と発育への影響(PubMedエビデンス)

  • 口呼吸は小児の睡眠呼吸障害(P-OSA)リスクを有意に高めることが報告されています※3
  • 睡眠中の酸素供給が不十分になると、成長ホルモンの分泌にも影響が出ることがあります
  • 「夜中によく起きる」「朝なかなか起きられない」「日中ぼんやりしている」は要注意サイン

リスク④|集中力・認知機能への影響

  • オーストラリアの矯正専門医の研究では、口呼吸を続ける子どもはIQが年に5〜10低下する可能性があるという報告があります(ただし研究の解釈には注意が必要で、断定はできません)※4
  • 口呼吸→慢性的な酸素不足→脳への血流・酸素供給が不十分→集中力・学習力に影響が出る可能性があります
  • 「落ち着きがない」「集中できない」が口呼吸と関係している場合があることが指摘されています

🧠 体(Body)の視点から:口呼吸は姿勢を崩し、姿勢の乱れがさらに呼吸を浅くする悪循環を生みます。「姿勢と呼吸と脳の集中力」はすべてつながっています!

リスク⑤|免疫機能の低下・感染症リスクの増加

  • 鼻呼吸では、鼻毛・鼻粘膜・鼻腔内の繊毛がウイルス・細菌・ほこりをフィルタリングしています
  • 口呼吸では、これらのフィルター機能が働かず、ウイルスが気道に直接入りやすくなります
  • 口の中が乾燥→唾液の抗菌作用が低下→むし歯・歯肉炎・口臭のリスクも上がることがあります

✅ 家庭でできる改善法|今日からできる鼻呼吸トレーニング

難しいことは必要ありません。毎日のちょっとした習慣から始めましょう!

改善法①|「あいうべ体操」で口周り・舌を鍛える(具体的手順)

あいうべ体操は、口腔筋機能療法(MFT)の基本として多くの歯科医院で推奨されているトレーニングです。

1日10セット(1回30秒程度)が目安

ステップ動きポイント
① あ〜口を大きく開ける顎が下がるくらい大きく
② い〜口を横に大きく開く頬の筋肉まで使って
③ う〜唇を前に突き出すできるだけ前に
④ べ〜舌をあごに向かって思いっきり出す舌の付け根まで伸ばすイメージ

注意点

  • 無理に力を入れすぎない(痛い場合はやめる)
  • 食後すぐは避ける
  • 親子一緒にゲーム感覚で! 続けることが何より大切

❤️ 心(Heart)の視点から:「体操しなさい!」と強制すると逆効果。「一緒にやろう!」と親子で楽しくやるのがコツ。笑顔で続けることが一生モノの口育てにつながります😊

改善法②|生活習慣の見直し(実践例・注意点)

✔️ 食事の工夫

  • 少し硬めのものをよく噛む食習慣で、口周りの筋力アップ
  • 「前歯でかじる→奥歯でつぶす→飲み込む」の正しい流れを意識
  • 汁物を飲みながら食べると咀嚼が減るので要注意

✔️ 姿勢の意識(体=Bodyの視点)

  • 食事中は足が床につく高さのイスで食べる
  • テレビやタブレットを見ながら食べない
  • 寝るときに横向き・うつ伏せ寝は口呼吸を助長させる可能性があります

✔️ 鼻の通りを良くする(耳鼻科との連携)

  • アレルギー性鼻炎がある場合は、まず耳鼻科の受診を優先※5
  • 鼻呼吸テープ(就寝時)は、鼻づまりがないことを確認してから使用すること(鼻づまりがある場合は使用禁止)
  • 部屋の加湿・こまめな換気でアレルゲンを減らす

注意点

  • 鼻づまりが強い場合、まず耳鼻科での治療が最優先です
  • 口呼吸防止テープのみで根本原因は解決しません。必ずセットで筋機能訓練や専門医相談を

💚 お子さんの健康を守るために

チェックリスト|うちの子、口呼吸かも?セルフチェック6項目

  •  口がぽかんと開いていることが多い
  •  寝ているときにいびきをかいている・口で息をしている
  •  食事中に口を開けて食べる(クチャクチャ音がする)
  •  鼻づまりが続いている・鼻水が多い
  •  唇が乾燥・荒れやすい
  •  集中力が続きにくい・日中ぼんやりしていることがある

➡️ 1つでも当てはまったら、かかりつけ歯科か耳鼻科に相談してみましょう!

専門医受診の目安|こんなときは早めに相談を

こんな様子があれば…相談先
鼻づまりが慢性的・アレルギーの症状がある耳鼻咽喉科
口がポカンと開いている・食べ方が気になる小児歯科
いびき・睡眠中の無呼吸が心配耳鼻咽喉科 or 小児科
歯並び・顎の発育が気になる小児歯科 or 矯正歯科
全体的に口の機能が気になる口腔機能発達不全症に対応している歯科

🦷 口腔機能発達不全症は、2024年以降も健康保険で診断・治療が受けられます(日本小児歯科学会 2026年1月声明より)。 まず費用の心配をせず、かかりつけ歯科に気軽に相談してみてください!


一生モノの健康資産を、子どもへのプレゼントに。 鼻呼吸は「歯・食・体・心」すべての土台。でも、頑張りすぎなくて大丈夫。 今日から「あいうべ」を1回やってみるだけで、十分なスタートです😊 ——はぴこ先生

Q
📚 参考文献・引用元

1. 日本小児歯科学会(2026年1月) 「口腔機能発達不全の治療に関する重要なお知らせ」 → 日本小児歯科学会公式サイト

2. 進藤由紀子ほか 「小学生における歯列・咬合と口呼吸との関連性について」 日本小児歯科学会誌 47巻1号/J-Stage

3. Inchingolo F, et al.(2025) 「Mouth Breathing and Its Impact on Sleep Breathing Disorders in Children」 PMC(PubMed Central

4. Zhu Y, et al.(2019) 「Influences of mouth breathing on memory and learning ability in children」 PubMed

5. ライオン歯科衛生研究所 「子どもの口呼吸予防はどうしたらよいの?」 → ライオン歯科衛生研究所公式サイト

ABOUT ME
はぴこ先生
はぴこ先生
現役歯科医×一児の母
2012年歯科医師免許取得。5,000人以上の親子と向き合う中で「正しい知識だけでは解決できない親の葛藤」を痛感。私自身も育児で「わかっているのに磨けない」と悩んだことから、歯×食×体×心の4つの視点でお口育てを整える独自メソッドを確立。「予防歯科」に「親子の心の余白」をプラスした発信で、「人生が変わった」とリピーターが続出。オンラインサロンも運営中。一生モノの健康資産をママ・パパと一緒に守ります。
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